現在、壱ノ章 高杉晋作(声:立花慎之介)、弐ノ章 久坂玄瑞(声:近藤隆)、参ノ章 桂小五郎(声:寺島拓篤)を
発表している「宵月ノ雫~幕末恋綴り~」シリーズ
四ノ章吉田松蔭の情報公開が遅れており申し訳ございません。
ついに年明け1月中旬にキャスト発表&発売日公開を予定しております。
もう少々、お待ちください。
今回、四ノ章 吉田松蔭の冒頭を特別公開
【トラック1:惻隠の心】
■萩・松本村:杉家:松蔭の部屋(昼)
松蔭N「嘉永三年、春。藩校明倫館(はんこうめいりんかん)の兵
学師範として山鹿流(やまがりゅう)兵学を教えていた私
は、養子に入った吉田家ではなく、生まれ育った杉家で日
々を過ごしていた」
※SE:小鳥のさえずり
松蔭 「孟子いわく、人皆(みな)、人に忍びざるの心あり。先王(せ
んおう)人に忍びざるの心ありて、すなわち人に忍びざるの政(まつりごと)あり」
松蔭 「人に忍びざるの心をもって、人に忍びざるの政を行わば
天下を治むること、これを掌上にめぐらすべし。人みな、
人に忍びざるの心ありと言うゆえんのものは……」
※SE:カタン(物音)
松蔭 「うん? おや。(ふっと笑って)構いませんよ。お入りなさ
い」
※SE:部屋に入る
松蔭 「どうしました?」
※「昼餉の用意ができています」
松蔭 「昼餉? ああ、もうそんな時間でしたか。書物を読み始め
ると周りが見えなくなってしまうのは私の悪い癖ですね。
少し夢中になりすぎていたようです」
※「邪魔をしてごめんなさい」
松蔭 「(優しく)そんなに気を遣わなくていいのですよ。あなた
がここに来てから、もう三月(みつき)も経つのですから」
※「ですが……」
松蔭 「(苦笑して)あなたが何かと遠慮がちなのは、自分が助けら
れたと思って、引け目を感じているからでしょう?」
※「それは……」
松蔭 「(優しく)咎めたりはしませんから、正直に言ってごらんな
さい」
つづく…
■台詞等々に関しては制作中の物の為変更する場合があります。